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◆『ルーシー・リー展』・・姫路市立美術館


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『う~~』・・と この綺麗なフォルムに唸ってしまいました。
高台が細くて不安定な感じがするほど なんだか緊張感があります。

ず~と見に行きたかった展覧会にやっと昨日行ってきました。

 姫路美術館で開催されている
『ルーシー・リー展ー調和の器・永遠の憧れー』です。



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1902年 オーストリア 
ウィーンの裕福なユダヤ人家庭に生まれたルーシーは、
陶芸家を志しさまざまな展覧会で活躍していきます。
20世紀初めのウィーンはマーラーやクリムト、エゴンシーレが活躍する
芸術の花開くころ・・そんな空気を吸ってルーシーは育ちます。

でも戦争がはじまり ナチスから逃れるためにイギリスへ亡命、 
そこで陶芸家として再スタートを切り 終生ロンドンで制作を続けました。

この写真は 80歳のころだそうです。
アトリエで制作中・・・その動画も見れましたが
品のある美しい清とした女性でした。


会場は撮影禁止なので 買った図録の写真を載せますね。


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白釉のドレッシング瓶(1950)
「O」はオイル、「V」はビネガー・・・可愛いです。
注ぎ口がほんの少しカーブがついて 胴体が緩やかなライン・・



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テイーセット(1950)

どれもシンプルで 今すぐでも食卓に馴染みそう・・・
テーブルウエア―を見ると やっぱり女性らしさに溢れています。

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これは陶製のボタンです。(1940年代)
ウイーンからイギリスへ移り住み 陶芸家として活動始めたけれど
戦争が深刻化して生活も貧しくなり始めました。
そんなころ
イギリスのファッション産業からの依頼でボタンの制作を始めます。
この経験のおかげで釉薬の知識が豊富になったそうです。


これがとっても可愛い
いろんな形 いろんな色・・見ていて飽きませんでした。

三宅一生が感銘を受けて これらから着想してデザインした・・
というエピソードでも知られているルーシー・リーのボタン!



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線文円筒花器(1968)

綺麗な形でした。
つる首の口の部分が広がって
青釉に 細い針で掻き落として細い線文様を入れています。
茶と白と青のコントラストも綺麗。

ルーシー・リーは 線文様を多く使っていますが
この細い線をどうやって掻き落とすんだろう・・・と不思議でした。
何本か針を並べた道具があるんだろうか・・と思ったりしましたが
その制作過程を映像で見ることができました。

なんとフリーハンドでした。

しかも 普通に・・・サササ~・・と!
上の花器の様に円周でも・・・
ちょっと曲がっても気にせず・・・
サササ~・・・
凄いわ!



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スパイラル文花器(1972)

2種類の土を混ぜないで 
ロクロで立ち上げながら螺旋模様を生み出していくんだそうです。
そんなことができるんだ!



こんな感じのつる首の花器がたくさん展示されていましたが
これは首のところで2分割して作って
あとで繫いでいくそうで その工程も映像で見れました。

ロクロで 胴体に首の部分をのせてくっつけていくんですが
ピッタリと同じ太さで合うんですね~・・これが!
凄いな~~




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黄釉線文鉢(1968)

凄い器・・・です。
穏やかな曲線 フォルムが宇宙的!
黄色とこげ茶のコントラストが素敵です。
微妙なカーブを付けたふちの部分に こげ茶の釉薬をかけることで
その線が浮き上がって 軽やかさと どっしりした温かさを感じます。

こげ茶の釉薬の部分を掻き落としていますが
細か~い線がクロスに入っています。
もう信じられない繊細さ!



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溶岩釉鉢(1970)

ルーシー・リーは釉薬をいろいろ研究して自分で生み出していきましたが
その特徴的なのがこの溶岩釉だそうです。

窯の中でいろんな変化が起こり 表面のデコボコが生まれます。



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緑釉鉢(1980)

ちょっと高台が高くなって たっぷりした鉢。
茶道のお茶碗のような感じです。

モスグリーンの釉薬にふちのブロンズ釉の雫が落ちそうで止まってる・・

1970年代後半には色鮮やかなグリーンやブルー
ピンクなどの釉薬を使うようになったそうです。




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ピンク線文様(1980)

私はこのピンクの器が見たかったんですが
ここでも「う~~ん!」と唸ってしまいました。

綺麗なピンク・・・ふちがブロンズ釉・・・
高台のところに細いブルーの線が入っています。
成形するときに 
土を細い金属の棒で掻き落として線模様を付けているそうです。

この器を一目見たら 女性が作ったとすぐにわかる・・・
そんな柔らかさと可愛らしさを感じます。

いいな~~♪

他にもフォルムの綺麗な鮮やかな色合いの作品がいっぱいで
見ごたえありました。


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会場の出口には ルーシー・リーと一緒に写真を撮れるスポットもありました。



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会場の姫路市立美術館はJR姫路駅から歩いて10分ほどの場所・・・
今話題の 改修で白くよみがえった姫路城のすぐそばにあります。


明治時代の赤レンガの建物で 旧陸軍の兵器庫だったそうです。
立派な建物です。



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広い芝生には10数点の屋外彫刻がありました。


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ケヤキの落ち葉が積もってフカフカ・・・
暖ったかそうに見えますが この日は風の強いめちゃ寒い日でした。


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帰り際 振り返ると美術館の後ろにお城が見えました。
美術館の屋根にのっかってるみたい・・・



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ランチは 駅近くの「柊」で穴子料理をいただきました。


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駅近でお茶したお店からもお城がくっきり見えました。
お城は姫路のシンボル!




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ルーシー・リーの図録・・・
正方形で小さめでとっても見やすいのです。

私が作陶するとき役立ってくれる・・・みたいなレベルではないのですが
見ていて心地よくなる器で溢れています。

大切な1冊になりそうです。



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憧れる器!






『ルーシー・リー展』
姫路市立美術館
12月24日まで開催しています。








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by soleil-gardener | 2015-12-18 23:35 | ★美術館の展覧会 | Comments(0)
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